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極端紫外光研究施設(UVSOR)(1ページ) 分子研リポート2012 | 分子科学研究所

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310 研究施設の現状と将来計画

8-1 極端紫外光研究施設(UV S O R )

U V S O R 施設は2003年の光源加速器高度化(低エミッタンス化,直線部増強)とそれに引き続くアンジュレータ の増設,トップアップ運転(一定ビーム強度運転)導入により,1. G eV 以下の低エネルギーシンクロトロン光源とし ては世界的にも最高水準の高性能光源となった。さらに,光源加速器で唯一建設来手つかずの装置である偏向電磁石 をビーム収束作用を持つ複合機能型に交換することで,電子ビームエミッタンスを現在の 27.nm-rad から 15.nm-rad 程 度まで下げる改造を2012年春に行った。この改造に合わせて,アンジュレータ1台が増設され,周長 50.m の小型光 源に合計6台のアンジュレータが稼働することとなった。改造後,加速器の立ち上げ調整は概ね順調に進み利用実験 も予定通り再開できた。現在,運転の安定性の改善に取り組んでいる。

ビームラインはスクラップアンドビルトにより数を絞り込み,競争力のあるビームラインを中心に重点的に整備を 進めており,現在は13本が稼働しており,2本が立上調整中である。このうち2本の偏光可変型アンジュレータビー ムラインは世界的にも最高水準の性能を誇り,固体の光電子分光による研究に威力を発揮している。また,2本の真 空封止型アンジュレータビームラインは気体や液体の特徴ある分光研究に利用されている。今年度建設が完了し立上 調整が進んでいる軟X線顕微分光ビームラインは,国内では初めての装置であり,2013年度より供用開始となる。

新しい光源技術の開発として,レーザーと電子ビームを用いた光発生とその利用法に関する研究を,文部科学省の 受託研究として進めており,装置の整備が順調に進んでいる。現在,コヒーレントなテラヘルツ光・真空紫外光の試 験利用開始に向けて準備を進めている。

光源加速器の高度化は2012年度の改造で一段落し,その後はより高い光源安定性の実現へ向けた改良や新しい技 術の導入へ重心を移す。また,老朽化の進んでいる一部のビームラインについては,整理統合の可能性も排除せず更新・ 高度化の検討を進め,段階的に実施する。2013年度には固体光電子分光ビームラインのうち一本について,アンジュ レータや分光器,末端の実験装置も含む高度化を行うことが決定した。

上記のように既存設備の性能を世界最高水準に維持し高度な利用研究を推進しつつ,次期計画の具体化に向けた検 討を進める。

i). 1.5–2.5GeV 級新第3世代リング ii). 1GeV 級超高輝度リング

iii). ライナックによる軟X線自由電子レーザー iv). 小型エネルギー回収型ライナック

など様々な可能性が考えられるが,需要,予算,敷地,加速器技術の進展,他施設の動向なども考慮しつつ,計画を 練り,最適なものを選択する必要がある。i ) は比較的低エネルギーで汎用性の高い高輝度光源の実現を目指すもので あり,S P ri ng -8 では十分に対応しきれない V U V軟X線領域での高輝度光源を実現することで,我が国では S P ri ng -8 以外に真に第3世代光源と呼べる光源がない状況を打破しようとするものである。i i ) は汎用性よりも光源性能をより 重視し V U V 領域での超高輝度光源を実現しようとするものである。i i i ) は高輝度ライナックによる軟X線領域でのシ ングルパス型自由電子レーザーの実現を目指すものである。リング型光源と相補的な光源となるはずである。i v ) は リング型光源の限界を打ち破る光源性能を実現し,且つ,リング型光源の汎用性も有する施設の実現を目指すもので ある。これらのうち i i i ) については,既存加速器を運用しつつ整備を進めることができる可能性があること,現在進 めているレーザーと電子ビームを用いた光発生技術を活かせる可能性があること,などの利点もあり,実現可能性に ついて技術的検討を進めている。

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